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平成の職人技 結集
2019.04.26
高野山奥之院 生身供 奉納の「唐櫃」を披露古城公園の桜が満開のなか、4月12日(金)~14日(日)高岡市立博物館で
公開、展示されました。
井波の彫刻家の南部白雲さんにお知らせをいただいていましたので見に行きました。
これは全国の伝統工芸、寺社建築、装飾の職人集団が長く受け継がれてきた高度の技と心を日本全国や海外に広く伝えようと企画し、富山県からは井波の
彫刻師さんをはじめ7人の職人さんが参加され、設計から材料選び、製作までに
約3年かかったそうです。
(一社)日本伝統職人技術文化研究会事務局 南部白雲木彫工房内〒932-0211 富山県南砺市井波2174 TEL/FAX0763-82-0916
唐櫃とは 和歌山県の高野山奥之院では、今も御廟で瞑想を続けているとされている弘法大師空海に毎日2回お食事をお供えしています。
公開された「唐櫃」は弘法大師の命日など特別な日に食事を運ぶ際に用いられるそうです。
この「唐櫃」は、縦2m、横94cm、高さ85cmで、箱の上部には、最も格式が高いとされる、丸みを帯びた10段重ねの「桧皮葺」の屋根が
乗せられています。
伊勢神宮神宝材と同じ樹齢300年以上の天然檜材を使用しています。
また側面には、木材の中でも最高価な香木のインド産の本白檀を材料に
密教法具の形を、南砺市の井波彫刻師が約80本の「のみ」を使い分け
彫りこまれてあります。
〇 井波彫刻家 南部 白雲氏
その背面の花形組子は一本の釘も使わず組み上げてあります。その内側には卵と稲わら炭を使い出来た名塩和紙に挟み打ち出された縁付け五毛色の金箔が施してあります。
各部が入手の困難な価値の高い素材を用い、高度の技術で丁寧に想いをこめて精巧に美しく仕上げられてありました。写真では感じられない迫力に魅了されました。
今回の「唐櫃」には、彫金、漆塗り、金箔、組子、彩色,木工事、彫刻、螺鈿、飾り房、桧皮葺,のこぎり等の熟練の職人技が、「ドールハウス」のように比較的にコンパクトな
作品に凝縮されており、日本が誇れる受け継がれた技術を初めて身近に知ることができました。
南部白雲さんは、「使わないときは高野山奥之院から借り、いろいろな場所で展示するかもしれません。」とおっしゃっておられました。
ぜひ、子供や若者にも見てもらい、後世にこの技術と建造物が永続することを
願ってやみません。
昔は富山の住宅には井波彫刻の欄間が必ずありました。
生活様式の変化の中、国内外に何か新しい工芸品の需要を産み出し、日本独自の素晴らしい技術が生かされ継続するよう祈るものです。
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